今、ここ、どこか11 Rin
- 川上 まなみ
- 4 時間前
- 読了時間: 4分
一時帰国の苦しみと楽しみ 長谷川麟
9月中旬、健康診断のために一時帰国をする。この健康診断は、いわゆる普通の健康診断で、年に一回、リフレッシュも兼ねた健康診断のための帰国の、その旅費を会社が持ってくれる。
だいたい二週間ほど帰国して、そのたびに親族や、友人に会って回る。まずは愛知の義実家に寄って、近況の報告。「アメリカの物価は高いですよ。やっぱり・・・。ビックマックがだいたい1500円くらいはしますからね・・・。」と告げると、皆、なるほどなぁ。真剣に聞いてくれる。僕もお義父さん、お義母さんを不安にさせてはいけないと、一生懸命に説明をする。
その後、岡山。母と母の彼氏の暮らす実家のような場所に立ち寄って、近況を報告。それから祖母の家に寄って、近況の報告。ばあちゃんは特に心配をしてくれているから、懇切丁寧に説明をする。でかい肉の写真を見せると、たいがい、「参ったぁ〜」というようなリアクションをする祖母。まぁ喜んでくれてはいると思うから、やっぱり会いに来て良かったと思う。
それから友達の子供を見て回る。8人ぐらいの幼馴染みのグループのうちの2人が、一昨年、同じタイミングで子供を授かって、しかも、どちらも双子ちゃん。もうしっかり人間という感じで、コミュニケーションが取れるくらいに大きくなっていた。これは毎年通わないと行けないなと思う。
キャリーケースのなかに、友人先輩後輩の子供たちのためのお土産を詰めて、岡山の街を徘徊して回る。サンタクロースのような気持ちでもあるし、お盆の坊さんのような気持ちでもある。子供の成長を追っていると、自分がどんどん歳を取っていることを自覚する。かわいくて、恐ろしい双子ちゃんたち。いまが一番かわいいと言われるお年頃。
週末は3連休で、サークルの仲間と高知へ旅行。四万十川でキャニオニング。温泉。地元の美味しいご飯を楽しんで爆睡。翌日は、これ! というやりたいことがついに見つからず、昼にチキン南蛮を食べて、夕方から雀荘へ。ひさびさに打った三麻が絶好調。ダブリー一発ツモで、裏ドラが三枚も付いてくるんだから、止めようたって止めようがない。
朝三時。帰りにセブンでやきそばを買う。
自分の体力と相談をしながら、それでも会いたいと言ってくれる人がいる以上はできるだけ会ってまわりたいとは思う。時差ボケもしんどい。食生活も、生活リズムも完全に狂ってる。とはいえ、せっかく日本に帰ってきているのだから、カロリーなんて気にしてられないし、変に抑制するのもそれはそれで気持ちが悪い。年に一回しか会えない友達に、なんか疲れてそうとか、歳とった?とか、そういう気の使われ方もしたくない。気丈に振る舞う。ボケもツッコミも錆びてないところを見せつけていく。
後半、流石に失速気味の身体に鞭を打つ。朝からねぎ玉牛丼大盛り。でも時差ボケもあるから、不思議とぺろりとたいらげる。今日はこれから新幹線で東京へ。岡大短歌の同期の平尾君の授賞式へ。東京に着いてから、さすがにTシャツはラフすぎると、慌ててシャツを買い、花束を買い、最後は会場にタクシーで向かい、受賞者のみなさんのスピーチは素晴らしく、体力がもってよかったとほっとする。平尾君のスピーチは手話によるものだった。僕は手話は分からないけれど、手話を選んだ平尾君の意志はしっかりと受け取れたと思う。
そのあと、会場で食べて飯はうまかった。唐揚げとか、あとは巻き寿司とか、あの手のご飯が一番好きだ。お酒も飲み放題だから、お金のことを気にしなくていいのも良いし、一度にいろんな人と適当に話をして、疲れたら端に座っていてもいいというのも気軽でかつコスパも良くて、毎回これにしてくれると助かるのにと思う。やっぱりなにか受賞しないといけない。何人かと、「アメリカの物価は高いですよ。やっぱり・・・。ビックマックがだいたい1500円くらいはしますからね・・・。」などと適当な話をして過ごす。二次会も三次会も四次会も楽しくて、これが続くなら東京も悪くないと思う。
改めて、平尾君、受賞おめでとう。しっかり話せて良かった。
ここには書けなかったけど、実は途中で九州にも行ってるし、それはそれで楽しかったし、秋の王座と短歌賞の選考会もして、それから家族で台湾にも行っている。文字に起こして振り返ると、意外と俺って若いんだな。と思う。
美しく齢を取りたいと言ふ人をアホかと思ひ寝るまへも思ふ
╱河野裕子
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